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【2026年版】社用車管理とは?重要性・目的や法律上の義務、安全運転管理のポイントを徹底解説

営業活動や顧客訪問、商品の配送など、業務で自動車を使用する企業にとって欠かせないのが「社用車管理」です。

社用車は企業活動を支える便利な存在である一方、交通事故や車両故障、燃料費・保険料などのコスト、さらには道路交通法をはじめとした法令への対応など、さまざまなリスクや管理業務が伴います。

そのため、「会社で車を所有しているから管理する」というだけではなく、車両・運転者・運行状況を継続的に把握し、安全性と効率性を高めていくことが重要です。

一方で、「社用車管理では具体的に何をすればいいの?」「安全運転管理者は必ず必要?」「運転日報やアルコールチェックはどこまで義務なの?」と疑問を持つ担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、社用車管理とは何か、その目的や重要性、法律上必要となる主な対応から、効率よく管理するためのポイントまで詳しく解説します。

この記事のポイント
・社用車管理は「車両」だけでなく「運転者」「運行」「安全」「コスト」まで含めて考える
・一定台数以上の自動車を使用する事業所では安全運転管理者の選任が必要
・対象事業所では運転前後のアルコールチェックと記録の1年間保存が必要
・運転日誌の備付け・記録も安全運転管理者の重要な業務
・点検期限、保険、走行距離などを一元管理すると管理漏れを防ぎやすい

1.社用車管理とは?

社用車管理とは、企業や事業所が業務で使用する自動車とその運転者、運行状況などを継続的に管理することです。

目的は単に「どの車を誰が使っているか」を把握することだけではありません。

  • 交通事故の防止
  • 車両故障やトラブルの予防
  • 安全運転の確保
  • 法令遵守
  • 車検・点検期限の管理
  • 自動車保険の管理
  • 燃料費や整備費などのコスト管理
  • 車両利用状況の把握
  • 事故発生時の迅速な対応

など、企業が安全かつ効率的に自動車を使用するための幅広い取り組みが含まれます。

なお、「社用車」という言葉自体に道路交通法上の明確な定義があるわけではありませんが、一般的には企業・法人などが保有または管理し、営業、移動、配送など業務目的で使用する自動車を指します。

営業担当者が使用する営業車だけでなく、役員車、配送車、現場への移動に使用する車両なども、広い意味では社用車に含まれます。

POINT
社用車管理は「車の管理」だけではありません。車両・運転者・運行・安全・コストをまとめて管理することが重要です。

2.社用車管理を行う目的とその重要性

企業が社用車管理を行う主な目的として、次の3つが挙げられます。

  1. 事故などのリスクを軽減する
  2. 車両関連コストを管理・削減する
  3. 関係法令を遵守する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.事故などのリスク軽減

社用車管理の大きな目的のひとつが、交通事故や車両トラブルのリスクを減らすことです。

自動車は使用を続けることで、タイヤやブレーキ、バッテリー、各種部品などが少しずつ摩耗・劣化していきます。

適切な点検や整備を行わずに使用を続ければ、走行中の故障や事故につながる可能性があります。

また、安全管理では車両の状態だけではなく、運転する従業員の管理も重要です。

  • 運転者の健康状態
  • 過労の有無
  • 飲酒の有無
  • 運転免許証の有効期限
  • 交通違反・事故の状況
  • 安全運転教育の実施状況

などを適切に把握し、安全運転を継続的に指導していくことで、事故リスクの低減につなげることができます。

2-2.コストの管理・削減

社用車を保有すると、車両の購入費だけでなくさまざまな維持費が発生します。

  • ガソリン・軽油などの燃料費
  • 車検費用
  • 定期点検・整備費
  • タイヤ・オイルなどの消耗品費
  • 自動車保険料
  • 自動車税などの税金
  • 駐車場代
  • 高速道路料金
  • リース料

こうした費用を車両ごとに把握することで、維持費の高い車両や稼働率の低い車両などを発見しやすくなります。

さらに、走行距離や利用状況を分析すれば、不要な車両の削減や車両配置の見直し、効率的な運行ルートの検討などにも活用できます。

つまり社用車管理は、安全管理だけでなく企業の車両コストを「見える化」し、無駄を減らすための経営管理という側面も持っています。

2-3.法令遵守のため

社用車管理では、道路交通法や道路運送車両法など、さまざまな法律が関係します。

一定の条件に該当する事業所では安全運転管理者を選任する必要があり、安全運転管理者には運転者の安全確認、酒気帯び確認、運転日誌の備付けなどの業務が定められています。

また、自動車の使用者には、道路運送車両法に基づく日常点検や定期点検整備なども求められます。

こうした義務を確実に履行するためにも、会社として社用車の管理体制を整えておくことが重要です。

注意
社用車に関する法律上の義務は、車両の種類・台数・用途・事業形態などによって異なります。特に「白ナンバー」の自家用自動車と、運送事業などの「緑ナンバー」では適用される制度が異なるため注意しましょう。

3.社用車管理で必要な法律上の義務とは?

社用車管理に関係する法律上の義務にはさまざまなものがあります。

ここでは一般企業が業務で自家用自動車、いわゆる「白ナンバー車」を使用するケースを中心に、代表的なものを紹介します。

管理項目 主な内容 主な対象
安全運転管理者 安全運転を確保するための管理業務 一定台数以上の自動車を使用する事業所
運転日誌 運転者名・日時・距離などを記録 安全運転管理者選任事業所
アルコールチェック 運転前後の酒気帯び確認・記録 安全運転管理者選任事業所
点検・整備 日常点検・定期点検など 車種・用途等に応じて実施

3-1.安全運転管理者の選任

道路交通法では、一定台数以上の自動車を使用する事業所について、安全運転管理者を選任することを義務付けています。

原則として、次のいずれかに該当する場合が対象です。

  • 乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用する事業所
  • その他の自動車を5台以上使用する事業所

大型自動二輪車・普通自動二輪車については、1台を0.5台として計算します。

また、20台以上40台未満の場合は副安全運転管理者1人、40台以上では20台増えるごとに副安全運転管理者を追加する必要があります。

なお、台数は会社全体ではなく「自動車の使用の本拠」、つまり原則として事業所単位で判断する点に注意しましょう。

安全運転管理者には、運転者の状況把握や運行計画、安全運転指導、点呼、酒気帯び確認、運転日誌の管理など、幅広い業務が求められています。

選任後の届出にも注意
安全運転管理者等を選任した場合は、選任した日から15日以内に都道府県公安委員会へ届け出る必要があります。

安全運転管理者について詳しくは、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事
「安全運転管理者とは?選任条件や業務内容、企業が行うべき対応を解説」

3-2.運転日報・運転日誌の作成

安全運転管理者の業務のひとつとして、運転日誌を備え付け、運転を終了した運転者に必要事項を記録させることが定められています。

道路交通法施行規則で示されている主な記録内容は、次のとおりです。

  • 運転者名
  • 運転開始日時
  • 運転終了日時
  • 運転した距離
  • その他、自動車の運転状況を把握するために必要な事項

企業によって「運転日報」「運転日誌」「車両運行日報」など名称は異なりますが、重要なのは必要な運行情報を正確に記録・管理することです。

また、道路交通法施行規則では、必要な条件を満たせば紙ではなく電子データで記録することも認められています。

保存期間について
安全運転管理者の運転日誌について、道路交通法施行規則では「運転日誌を備え付けて記録させること」は定められていますが、一律の保存期間は規定されていません。

一方、アルコールチェックの確認記録については1年間保存することが明確に義務付けられています。社内規程や他の関係法令等によって保存期間が定められているケースもあるため、自社の運用に合わせて確認しましょう。

3-3.アルコールチェック

安全運転管理者を選任する事業所では、運転者に対する運転前後の酒気帯び確認も重要な義務です。

2022年4月1日から、運転前後に運転者の状態を目視等で確認して酒気帯びの有無を確認し、その内容を記録して1年間保存することが義務化されました。

さらに2023年12月1日からは、目視等による確認に加えて、アルコール検知器を使用した酒気帯び確認が義務化されています。

  • 運転前の酒気帯び確認
  • 運転後の酒気帯び確認
  • 目視等による運転者の状態確認
  • アルコール検知器による確認
  • 確認内容の記録
  • 記録を1年間保存
  • アルコール検知器を常時有効に保持

といった対応が必要になります。

直行直帰や出張などで安全運転管理者が運転者と直接対面することが難しいケースでは、対面と同視できる方法を含め、法令や警察庁のQ&A・通達に沿った方法で確認することが重要です。

「測定値だけ送ればよい」と考えるのは注意!
アルコールチェックは、単に検知器の数値を記録するだけではなく、運転者の状態を確認して酒気帯びの有無を判断することが重要です。会社として統一した確認ルールを定めておきましょう。

4.社用車管理で行うべき業務とポイント

法律上必要となる取り組みだけでなく、事故や管理漏れを防止するためには、企業として社用車管理の仕組みを整えることが重要です。

特に押さえておきたいのが、次の3つです。

  • 車両管理規程の作成・運用
  • 車両管理台帳の作成
  • 日常点検・定期点検の実施

4-1.車両管理規程の作成と運用

車両管理規程とは、会社で使用する車両について、利用方法や管理責任などのルールをまとめた社内規程です。

例えば次のような内容を定めます。

  • 社用車を利用できる人
  • 社用車の使用目的
  • 使用申請・予約方法
  • 私的利用の禁止または条件
  • 安全運転に関するルール
  • 飲酒運転防止・アルコールチェック
  • 日常点検・整備
  • 給油・洗車などの日常管理
  • 運転日誌の記録方法
  • 事故・故障発生時の対応
  • 交通違反時の報告
  • 損害・費用負担の取り扱い
  • マイカー業務利用時のルール

ルールを明文化することで、従業員ごとに対応がバラバラになることを防ぎ、事故やトラブル発生時にも会社として統一した対応を取りやすくなります。

ただし、規程は作成して終わりではありません。

法改正や自社の運用状況に応じて定期的に見直し、従業員へ周知・教育することが重要です。

4-2.車両管理台帳の作成

複数の社用車を管理する場合に役立つのが、車両管理台帳です。

車両管理台帳とは、企業が保有・管理する車両情報をまとめた一覧表のことで、車検や保険の期限などを一元管理できます。

管理する項目としては、例えば次のようなものがあります。

  • 車両番号(ナンバープレート)
  • 車名・車種
  • 型式
  • 車台番号
  • 登録年月日
  • 購入日・リース開始日
  • 使用部署
  • 主な使用者
  • 走行距離
  • 車検有効期限
  • 定期点検実施日
  • 自賠責保険の情報
  • 任意保険の情報
  • 事故・修理履歴
  • タイヤ交換履歴

特に車検や保険については期限切れを防ぐため、期限そのものだけではなく「更新予定日」「担当者」「対応状況」まで管理すると実務上分かりやすくなります。

管理のポイント
車両管理台帳は作成するだけでは意味がありません。走行距離や点検履歴、保険情報などを定期的に更新し、いつ見ても最新情報が分かる状態にしておきましょう。

4-3.定期的な点検の実施

安全な運行を続けるために欠かせないのが、車両の点検・整備です。

道路運送車両法では、自動車の使用者に対して車両を適切に点検・整備し、保安基準に適合する状態を維持することを求めています。

代表的なものとして、日常点検整備と定期点検整備があります。

例えば一般的な自家用乗用車では、走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に日常点検を行い、定期点検については1年ごと・2年ごとに定められた項目を点検します。

なお、車種や用途によって点検の頻度や内容は異なります。

社内でもチェックシートなどを用意し、例えば次のような項目を確認する習慣をつけるとよいでしょう。

  • タイヤの空気圧・亀裂・摩耗
  • ランプ類の点灯状態
  • ブレーキの効き
  • エンジンオイル
  • 冷却水
  • ウォッシャー液
  • ワイパーの状態
  • 異音・異臭の有無
車検だけでは不十分
車検は「検査時点で自動車が安全・環境基準に適合しているか」を確認する制度であり、その後の安全性を保証するものではありません。車検とは別に、日常点検・定期点検整備を適切に行うことが重要です。

5.車両管理システム導入もおすすめ!

社用車が数台程度であればExcelや紙による管理でも対応できるケースがありますが、車両数や運転者が増えるほど管理業務は複雑になります。

特に、安全運転管理者や車両管理担当者が、通常業務と並行して車両管理を担当している企業では、管理負担が大きくなりがちです。

そこで検討したいのが車両管理システムです。

車両管理システムとは、車両・運転者・運行に関するさまざまな情報をデジタル化し、一元管理するためのシステムです。

製品やサービスによって異なりますが、主に次のような機能があります。

  • 車両情報の一元管理
  • 車検・点検期限の管理・通知
  • 運転者情報・免許証期限の管理
  • アルコールチェック結果の記録
  • 運転日誌・日報の電子化
  • 車両予約・鍵の管理
  • 走行距離・位置情報の管理
  • 事故・修理履歴の管理
  • 燃料費などのコスト管理
  • 危険運転情報の把握

紙や複数のExcelファイルで管理している場合、「誰が入力したのか分からない」「更新漏れがある」「必要な情報を探すのに時間がかかる」といった問題が起こりやすくなります。

情報を一元管理できるシステムを活用すれば、こうした作業の効率化だけでなく、期限切れや確認漏れなどのヒューマンエラー防止にも役立ちます。

こんな企業は車両管理システムを検討してみましょう

  • 管理する社用車が増えてきた
  • Excelや紙での管理に限界を感じている
  • アルコールチェックの管理負担が大きい
  • 運転日報の記入・集計に時間がかかる
  • 車検・免許証・保険などの期限管理を自動化したい
  • 事故削減や安全運転教育にデータを活用したい

ただし、システムを導入すれば自動的に安全管理ができるわけではありません。

自社に必要な機能を整理したうえで、実際の管理フローに合ったサービスを選び、担当者や運転者が無理なく継続できる仕組みを作ることが重要です。

社用車管理チェックリスト

最後に、自社の社用車管理体制を確認してみましょう。

✓ 社用車管理チェック

□ 管理している車両をすべて把握している

□ 安全運転管理者の選任対象か確認している

□ 必要な場合は安全運転管理者を選任・届出している

□ 運転前後のアルコールチェックを実施している

□ アルコールチェック記録を1年間保存している

□ 運転日誌を適切に記録している

□ 車両管理規程を作成している

□ 車両管理台帳を最新の状態にしている

□ 車検・定期点検の期限を把握している

□ 日常点検を適切に実施している

□ 運転免許証の有効期限を管理している

□ 事故発生時の連絡・対応方法を決めている

□ 定期的に安全運転教育を実施している

まとめ

今回は、社用車を保有・使用する企業に欠かせない「社用車管理」について、その目的や重要性、法律上の義務、具体的な管理方法を紹介しました。

社用車管理は単なる車両情報の整理ではありません。

  • 交通事故を防止する
  • 従業員の安全を守る
  • 企業の法的リスクを抑える
  • 車両コストを把握・削減する
  • 業務を効率化する

など、企業経営にも関わる重要な取り組みです。

特に一定台数以上の自動車を使用する事業所では、安全運転管理者の選任をはじめ、酒気帯び確認や運転日誌など、道路交通法に基づいた対応が必要になります。

「以前からこの方法で管理しているから大丈夫」と考えるのではなく、法改正や自社の車両利用状況に合わせて、管理方法を定期的に見直していくことが大切です。

車両台数が増えて管理業務が複雑になっている場合は、車両管理システムなども活用しながら、安全性・法令遵守・業務効率の3つをバランスよく高められる管理体制を構築していきましょう。

社用車管理を「負担」から「仕組み」へ

車両情報・運転日誌・アルコールチェック・点検期限などを適切に管理することで、事故防止と業務効率化の両立につながります。

まずは現在の管理方法を洗い出し、抜けや重複がないか確認することから始めてみましょう。

参考資料

  • 警察庁「安全運転管理者制度」
  • 警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等」
  • e-Gov法令検索「道路交通法施行規則」
  • 国土交通省「自動車の点検整備」
  • 国土交通省「点検整備の種類」

※本記事の法令・制度に関する内容は、2026年8月7日時点で確認できる公的情報をもとに作成しています。制度や運用は変更される場合があるため、実際の対応にあたっては警察庁、都道府県警察、国土交通省などの最新情報をご確認ください。