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社用車の点検は義務?その重要性や種類、日常点検の項目・ポイント

社用車を保有する企業にとって、車両の点検は、業務中の交通事故や故障を防ぐために欠かせない取り組みです。

車両の不具合に気づかないまま運転を続け、事故や走行不能などのトラブルが発生すれば、従業員や第三者の安全を脅かすだけでなく、企業の車両管理体制や安全管理責任が問われる可能性もあります。

また、自動車の使用者には、道路運送車両法に基づき、点検および必要な整備を行い、車両を保安基準に適合する状態に維持する義務があります。

つまり、社用車の点検は任意の安全対策ではなく、法律に基づいて実施すべき重要な車両管理業務といえるでしょう。

そこで今回は、社用車の点検に関する法的義務をはじめ、車検・定期点検・日常点検の違い、日常点検で確認すべき項目、企業が点検を確実に実施するためのポイントについて詳しく解説します。

この記事のポイント
  • 社用車の使用者には、法律に基づく点検・整備義務がある
  • 車検・定期点検・日常点検は、それぞれ目的が異なる
  • 車検に合格していても、定期点検や日常点検は必要
  • 自家用乗用車の日常点検は、使用状況に応じた適切な時期に行う
  • 事業用自動車などは、原則として1日1回、運行前に日常点検を行う
  • 点検結果をチェックシートや車両管理台帳に記録することが重要

1.社用車の点検は義務!その重要性とは?

自動車は、使用や時間の経過に伴って、タイヤ、ブレーキ、バッテリー、オイル類などの部品や消耗品が少しずつ劣化していきます。

見た目には問題がないように感じても、タイヤの空気圧不足やブレーキ液の減少、ランプ切れなどが発生している場合があります。

そのような異常を放置したまま走行すれば、車両故障や制動力の低下、タイヤの損傷などにつながり、重大な交通事故を引き起こすおそれがあります。

特に社用車は、業務で繰り返し使用されるため、一般的な自家用車に比べて走行距離や使用頻度が多くなりがちです。

さらに、複数の従業員が同じ車両を共用する企業では、「前の利用者が確認しているだろう」「異常があれば誰かが報告するだろう」といった思い込みが生じることもあります。

走行中の故障や事故を未然に防ぎ、従業員や第三者の安全を確保するためにも、企業として点検方法や報告ルールを明確にすることが重要です。

点検を運転者任せにしないことが重要

社用車の点検は、運転者個人の注意だけに任せるのではなく、企業が実施時期、点検項目、記録方法、異常発見時の対応をルール化する必要があります。

1-1.社用車の点検に関する法的義務

道路運送車両法第47条では、自動車の使用者に対し、自動車の点検および必要な整備を行い、保安基準に適合する状態に維持することを求めています。

また、同法第47条の2では日常点検整備、第48条では定期点検整備について定められています。

道路運送車両法上、車両の点検・整備責任を負うのは、基本的に自動車の「使用者」です。

車検証の使用者欄が企業名となっている社用車では、企業が車両を適切な状態に維持するための管理体制を整える必要があります。

なお、会社が業務で使用する車であっても、すべてが法律上の「事業用自動車」に該当するわけではありません。

一般企業が営業活動や従業員の移動に使用する乗用車は、多くの場合「自家用乗用自動車」に分類されます。

一方、運賃や料金を受け取って旅客や貨物を運ぶバス、タクシー、トラックなどは、一般に「事業用自動車」に分類されます。

車両の区分によって、日常点検や定期点検の実施時期が異なるため、まずは自社の車両がどの区分に該当するのかを確認しておきましょう。

1-2.点検義務を怠った場合の罰則は?

社用車の点検義務を怠った場合の扱いは、車両の種類、用途、違反内容、事故の有無などによって異なります。

そのため、「点検を実施しなかった場合は、すべて一律で○万円の罰金」と判断することはできません。

ただし、必要な点検や整備を行わず、保安基準に適合しない車両を使用した場合には、道路運送車両法に基づく整備命令や使用制限などの対象となる可能性があります。

また、ブレーキ、タイヤ、ランプなどに不具合がある車両を運転した場合は、道路交通法上の整備不良として、運転者に反則金や違反点数が科される可能性があります。

バス、タクシー、トラックなどを使用する自動車運送事業者については、日常点検や定期点検の未実施、記録の不備などが行政処分の対象となる場合もあります。

罰則があるかどうかだけで、点検の必要性を判断してはいけません。

点検不足が原因で事故が起きれば、人的被害だけでなく、車両の修理費、損害賠償、業務停止、取引先からの信用低下など、企業に大きな損失が生じる可能性があります。

2.社用車点検の種類と実施頻度

社用車に関係する主な検査・点検には、次の3種類があります。

  • 車検
  • 定期点検
  • 日常点検

車検・定期点検・日常点検は、それぞれ目的や実施時期が異なります。

種類 主な目的 主な実施者 実施時期
車検 検査時点で保安基準に適合しているかを確認する 運輸支局、軽自動車検査協会、指定整備工場など 車検証に記載された有効期間ごと
定期点検 故障を未然に防ぎ、車両の性能を維持する 自動車の使用者、整備工場など 車種や用途に応じて3か月、6か月、1年など
日常点検 日常的な異常や不具合を早期に発見する 自動車の使用者、運転者など 車種、用途、走行距離、運行状態などに応じて実施

2-1.車検

車検とは、自動車が国の定める保安基準に適合しているかを確認する検査です。

一般的な自家用乗用車の場合、新車登録後の初回車検は3年後、その後は2年ごとに受けるのが基本です。

ただし、貨物自動車や事業用自動車などは車検の有効期間が異なるため、必ず車検証に記載された有効期間を確認してください。

車検の有効期間が切れた車両は、原則として公道を走行できません。

車検に合格していても安心とは限らない

車検は、検査を受けた時点で保安基準に適合しているかを確認する制度です。次の車検まで故障しないことや、消耗部品が良好な状態を維持することを保証するものではありません。

2-2.定期点検

定期点検は、自動車の故障を未然に防ぎ、性能を維持するために行う予防的な点検です。「法定点検」と呼ばれることもあります。

道路運送車両法第48条に基づき、車両の種類や用途に応じて定められた時期に実施します。

主な車両区分 代表的な点検時期 主な使用例
自家用乗用自動車・軽乗用自動車 1年ごと 一般企業の営業車、役員車、従業員移動用の乗用車など
一定の自家用貨物自動車など 6か月ごと・12か月ごとなど 企業が自社の荷物を運ぶために使用するトラックなど
事業用自動車など 3か月ごと・12か月ごとなど 営業用トラック、バス、タクシーなど

※正確な点検時期や点検項目は、車両の用途、車種、車両総重量、乗車定員などによって異なります。車検証、点検整備記録簿、取扱説明書を確認し、不明な場合は整備工場や管轄の運輸支局などに確認してください。

定期点検は、必ずしも整備工場へ依頼しなければならないものではありません。

ただし、専門的な知識や設備を必要とする点検項目が多いため、国の認証を受けた自動車整備工場などへ依頼するのが一般的です。

2-3.日常点検

日常点検は、運転席、エンジンルーム、タイヤやランプなどを確認し、日常的な異常や不具合を早期に発見するための点検です。

定期点検よりも簡易的な内容ですが、タイヤの空気圧不足、ランプ切れ、液量不足、ブレーキの違和感などを運行前に発見できる重要な点検です。

日常点検の実施時期は、車両の種類によって異なります。

  • 自家用乗用自動車:走行距離や運行時の状態、使用状況などから判断した適切な時期
  • 事業用自動車、自家用貨物自動車など:原則として1日1回、その日の運行前

一般企業が使用する自家用乗用車について、法律上、すべての車両に対して「必ず毎日1回」と一律に定められているわけではありません。

ただし、社用車は使用頻度が高く、複数の従業員が共用する場合も多いため、企業独自の安全管理ルールとして、運転前に簡易的な日常点検を行う仕組みを設けることが望ましいでしょう。

3.日常点検で行うべき点検項目

日常点検では、主に次の3つの場所を確認します。

  1. エンジンルーム
    オイルや冷却水などの液量、バッテリー、液漏れの有無を確認します。
  2. タイヤ・ランプなどの車両周り
    タイヤの空気圧や損傷、ランプの点灯状態、車体の異常を確認します。
  3. 運転席周り
    ブレーキ、エンジン、ワイパー、警告灯などの作動状態を確認します。

車種や構造によって確認方法が異なることがあるため、実際の点検では車両の取扱説明書も確認してください。

3-1.エンジンルーム

エンジンルームを確認する際は、車両を平坦で安全な場所に停車させ、エンジンを停止し、パーキングブレーキを確実にかけてから行います。

エンジンルームの主な点検項目
  • ブレーキ液の量が規定範囲内にあるか
  • 冷却水の量が規定範囲内にあるか
  • エンジンオイルの量が適切か
  • ウインドーウォッシャー液が不足していないか
  • 確認可能な車両では、バッテリー液が規定範囲内にあるか
  • オイルや冷却水などの漏れがないか
  • 配線やホース類に明らかな損傷がないか

ブレーキ液

ブレーキ液のリザーバータンクを確認し、液面が上限と下限の間にあるかを確認します。

ブレーキ液が著しく減っている場合は、ブレーキパッドの摩耗や液漏れなどが発生している可能性があります。

液を補充するだけで済ませず、整備工場などへ点検を依頼してください。

冷却水

リザーバータンク内の冷却水が、規定範囲内にあるかを確認します。

冷却水が不足すると、エンジンのオーバーヒートや故障につながるおそれがあります。

エンジンが熱い状態でラジエーターキャップを開けてはいけません。

高温の蒸気や冷却水が噴き出し、やけどをする危険があります。必ずエンジンが冷えた状態で、取扱説明書に従って確認してください。

エンジンオイル

オイルレベルゲージを使用する車両では、車両を平坦な場所に停車させ、取扱説明書に従ってエンジンオイルの量を確認します。

オイル量が極端に少ない場合や、駐車場所にオイルが漏れた跡がある場合は、エンジンや配管などに不具合が発生している可能性があります。

ウインドーウォッシャー液

ウォッシャー液が不足すると、フロントガラスの汚れを除去できず、運転中の視界が悪化する可能性があります。

季節や使用環境に合ったウォッシャー液を補充し、水だけを使用する場合は凍結や水あかにも注意しましょう。

バッテリー

バッテリー本体に膨らみ、ひび割れ、液漏れ、端子部分の著しい腐食などがないかを確認します。

メンテナンスフリーバッテリーなど、利用者が液量を確認できない製品もあります。無理にふたを開けず、車両やバッテリーの取扱説明書に従ってください。

3-2.タイヤ・ランプなどの車両周り

車両の周囲を一周し、タイヤ、ランプ、ナンバープレート、車体などの状態を目視で確認します。

車両周りの主な点検項目
  • タイヤの空気圧が適切か
  • タイヤに亀裂、損傷、膨らみ、異常な摩耗がないか
  • 釘や金属片などの異物が刺さっていないか
  • タイヤの溝が十分に残っているか
  • ホイールやホイールナットに異常がないか
  • ヘッドランプや車幅灯が正常に点灯するか
  • 尾灯、制動灯、後退灯が正常に点灯するか
  • 方向指示器や非常点滅表示灯が正常に点滅するか
  • ランプのレンズに汚れや損傷がないか
  • ナンバープレートが見やすい状態に保たれているか
  • 車体の下にオイルや冷却水などが漏れた跡がないか
  • 窓ガラスや車体に運転へ影響する損傷がないか

タイヤの空気圧

タイヤの空気圧は、車種ごとに指定されています。

運転席側のドア付近に貼られたラベルや、車両の取扱説明書などで指定空気圧を確認しましょう。

空気圧はタイヤが冷えている状態で測定するのが基本です。

空気圧が不足すると、燃費の悪化や偏摩耗だけでなく、操縦安定性の低下やタイヤの損傷につながる可能性があります。

タイヤの溝・亀裂・損傷

タイヤの接地面や側面に、亀裂、膨らみ、深い傷、異常な摩耗などがないかを確認します。

タイヤの溝にあるスリップサインが露出している場合は、法律上の使用限度に達しているため交換が必要です。

ただし、スリップサインが出ていなくても、ひび割れや偏摩耗、膨らみなどがある場合は交換が必要になることがあります。

ランプ類

ヘッドランプ、車幅灯、尾灯、制動灯、後退灯、方向指示器、非常点滅表示灯などが正常に点灯・点滅するかを確認します。

制動灯や後退灯などは運転席から確認しにくいため、別の従業員に確認してもらう、壁やガラスへの反射を利用するなどの方法が有効です。

3-3.運転席周り

運転席では、エンジンを始動したときの状態や、各装置が正常に作動するかを確認します。

運転席周りの主な点検項目
  • エンジンが速やかに始動するか
  • 異音や異常な振動がないか
  • エンジン始動後に警告灯が消灯するか
  • ブレーキペダルの踏みしろや踏みごたえに異常がないか
  • ブレーキの効きに違和感がないか
  • パーキングブレーキが確実に作動するか
  • エンジンの低速・加速状態に異常がないか
  • ウォッシャー液が正常に噴射されるか
  • ワイパーが正常に作動するか
  • ワイパーの拭き取り状態に問題がないか
  • 前後左右の視界が確保されているか
  • ミラーやカメラに汚れ、曇り、損傷がないか
  • ハンドル操作に異常な重さや遊びがないか
  • ホーンが正常に鳴るか
  • 燃料または充電量が運行予定に対して十分か

警告灯

エンジン始動後も、ブレーキ警告灯、油圧警告灯、充電警告灯、エンジン警告灯などが点灯したままの場合は、車両に異常が発生している可能性があります。

警告灯の意味は車種によって異なるため、取扱説明書を確認し、必要に応じて運行を中止して整備工場へ相談してください。

ブレーキ

ブレーキペダルを踏んだときに、以前より深く沈む、踏みごたえが柔らかい、異音がするなどの異常がないか確認します。

走行時に車両が左右へ流れる、制動距離が長くなったように感じるなどの違和感がある場合も、運行を継続せず点検を依頼しましょう。

ワイパー・ウォッシャー

ワイパーが正常に作動し、フロントガラスをむらなく拭き取れるかを確認します。

ワイパーゴムが劣化すると、拭き残しや筋が発生し、雨天時の視界が悪化します。

4.点検実施のポイント

点検項目を決めるだけでは、適切な車両管理とはいえません。

誰が、いつ、どの車両を点検し、異常が見つかった場合に誰へ報告するのかまで明確にする必要があります。

4-1.点検の重要性を社員に共有する

日常点検は、主に社用車を運転する従業員が行います。

しかし、点検の目的や具体的な確認方法を理解していなければ、チェック欄に印を付けるだけの形式的な作業になりかねません。

企業は、安全運転研修や社内マニュアルなどを通じて、次の内容を共有しましょう。

  • 日常点検は事故や車両故障を防ぐために必要であること
  • 点検・整備は法律に基づく義務であること
  • 各点検項目の正しい確認方法
  • 正常と異常を判断する基準
  • 異常を発見した場合の報告先
  • 運行を中止すべき状態
  • 代替車両の利用方法
  • 修理や整備を依頼する手順

不具合を報告しやすい職場環境も重要です。

「報告すると仕事が遅れる」「修理手続きが面倒」と感じる環境では、異常が見過ごされやすくなります。早期に異常を報告した従業員を責めず、安全を優先する企業文化をつくりましょう。

4-2.チェックシートを作る

日常点検の実施漏れや確認項目の抜けを防ぐためには、車種や使用状況に合わせたチェックシートを作成するのが効果的です。

チェックシートには、少なくとも次の情報を記載できるようにしましょう。

区分 記録する内容
点検情報 点検日、点検時刻、点検場所
車両情報 登録番号、社内管理番号、走行距離
点検者情報 運転者名、点検者名、所属部署
点検結果 各項目の正常・異常・該当なし
異常内容 異音、液漏れ、警告灯、タイヤ損傷などの具体的な状態
対応内容 運行中止、整備依頼、部品交換、経過観察など
管理者確認 車両管理担当者、整備管理者、所属長などの確認

紙のチェックシートだけでなく、スマートフォンやタブレットから入力できる電子フォームを利用する方法もあります。

写真添付機能があれば、タイヤの傷や車体の損傷、警告灯の表示などを車両管理担当者へ正確に伝えやすくなります。

4-3.異常発見時の対応ルールを決める

点検で異常を発見しても、その後の対応が決められていなければ、点検を行う意味が薄れてしまいます。

企業は、異常を発見してから運行可否を判断するまでの流れを明確にしておきましょう。

異常を発見 運転者が点検結果を記録
管理者へ報告 写真や状況を共有
運行可否を判断 運行中止・整備依頼・代替車手配

社内ルールでは、次の内容をあらかじめ定めておくと安心です。

  • 直ちに運行を中止する異常
  • 管理者の確認後に運行可否を判断する異常
  • 整備工場へ入庫する基準
  • 経過観察とする場合の再確認期限
  • 代替車両の手配方法
  • 休日や夜間の緊急連絡先
  • 出先で故障した場合のロードサービス利用方法
運行を見合わせるべき異常の例
  • ブレーキの効きやペダル操作に異常がある
  • タイヤに大きな亀裂、膨らみ、著しい空気圧不足がある
  • 重大な異常を示す警告灯が消えない
  • 燃料、エンジンオイル、冷却水などが漏れている
  • ハンドル操作に異常がある
  • 夜間や悪天候時に必要なランプが点灯しない
  • フロントガラスなどの損傷により視界を確保できない

※実際の運行可否は、車両の取扱説明書、異常の内容、整備事業者の判断などに基づいて決定してください。

4-4.点検結果を記録・保存する

点検結果を記録しておけば、「いつ、誰が、どの車両を確認したか」「どのような異常や修理履歴があったか」を把握できます。

特に複数の社用車を保有する企業では、点検履歴を蓄積することで、車両ごとの故障傾向や部品の交換時期を判断しやすくなります。

道路運送車両法第49条では、定期点検を行った場合、点検整備記録簿に必要事項を記載し、一定期間保存することが定められています。

点検整備記録簿の主な保存期間

  • 3か月点検・6か月点検の対象車両:記載の日から1年間
  • 1年点検の対象車両:記載の日から2年間

一般的な自家用乗用自動車の点検整備記録簿は、原則として2年間保存します。

一方、事業用自動車や一定の貨物自動車などは、1年間の保存となる区分があります。

なお、自家用乗用車の日常点検記録については、定期点検の点検整備記録簿と同じ保存期間が一律に適用されるわけではありません。

それでも、事故発生時の確認や車両管理状況の証明、故障傾向の把握に役立つため、企業独自に保存期間を決めて管理することをおすすめします。

日常点検記録と点検整備記録簿は区別する

運転者が毎日の確認結果を記録する日常点検チェックシートと、法律に基づく定期点検の結果を記載する点検整備記録簿は、目的や扱いが異なります。社内で混同しないよう、それぞれ分けて管理しましょう。

4-5.車検や定期点検の期限を一元管理する

社用車の台数が増えるほど、車検や定期点検の期限管理は複雑になります。

車両ごとに登録時期や使用開始時期が異なる場合、担当者の記憶や紙の予定表だけに頼ると、点検期限の確認漏れが発生する可能性があります。

車両管理台帳には、次の情報をまとめておきましょう。

  • 登録番号・車台番号
  • 車両の使用部署・管理責任者
  • 車検満了日
  • 定期点検の実施日・次回予定日
  • 自賠責保険・任意保険の満期日
  • 現在の走行距離
  • エンジンオイルの交換履歴
  • タイヤやバッテリーの交換履歴
  • 故障・修理・事故の履歴
  • リコールへの対応状況

車両管理システムを導入すれば、車検や定期点検の期限通知、日常点検結果の収集、整備・修理履歴の確認などを一元化できる場合があります。

社用車が数台しかない企業でも、利用者が多い、複数拠点で使用する、走行距離が長い、休日にも使用するといった場合は、管理が複雑になりやすいため注意が必要です。

まとめ

社用車の点検は、従業員や第三者の安全を守り、交通事故や車両故障による業務への影響を防ぐために欠かせません。

道路運送車両法では、自動車の使用者に対し、日常点検や定期点検を行い、必要に応じて整備し、車両を保安基準に適合する状態に維持することを求めています。

今回の記事のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 車検・定期点検・日常点検は、それぞれ目的が異なる
  • 車検を受けていても、定期点検や日常点検は必要
  • 自家用乗用車は、使用状況に応じた適切な時期に日常点検を行う
  • 事業用自動車などは、原則として1日1回、運行前に日常点検を行う
  • 異常を発見した場合は、運行を続けず適切に整備する
  • チェックシートや車両管理台帳を活用し、点検履歴を残す
  • 車検や定期点検の期限を企業が一元的に管理する

社用車の点検を運転者任せにするのではなく、企業として点検項目、実施時期、報告先、運行中止の判断基準、記録方法まで明確にすることが重要です。

社用車の台数が多く、点検状況や車検期限の管理が煩雑になっている場合は、車両管理システムや車両管理のアウトソーシングなどを活用し、管理負担の軽減と安全管理の強化を図りましょう。

参考資料

  • 道路運送車両法 第47条・第47条の2・第48条・第49条
  • 自動車点検基準
  • 国土交通省「自動車の点検整備」
  • 国土交通省「点検整備の種類」
  • 国土交通省「日常点検整備」

※本記事は2026年7月25日時点で確認できる法令および公的情報をもとに作成しています。実際の点検時期や点検項目は、車種、用途、車両総重量、乗車定員などによって異なります。車検証、取扱説明書、点検整備記録簿を確認してください。

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事業内容:貨物軽自動車運送事業