若者のクルマ離
はじめに
こんにちは、コジマです。近年、「若者の○○離れ」という言葉がクローズアップされ、ニュースなどで特集される機会が増えています。その中でも社会問題として頻繁に取り上げられるのが「クルマ離れ」です。では、若者のクルマ離れとは何なのか、そして企業にどのような影響をもたらすのかを見ていきましょう。
若者のクルマ離れとは
「若者のクルマ離れ」とは、特に20代の人たちが昔に比べて車に乗らなくなったり、関心を持たなくなったりしている現象を指します。
主な理由
- 経済的な理由(平均年収の減少・税金や車検代などの維持費の増加)
- 都市部での駐車場料金の高さ
- 公共交通機関の充実による自家用車の必要性の低下
- 趣味の多様化やカーシェア・レンタカーサービスの普及
実際、20~24歳の免許証保有率を2001年と2015年で比較すると、男性で7.9%、女性で5.1%の減少となっており、若年層の免許保有率の下げ幅が際立っています。
若者のクルマ離れによる企業のリスク
若者のクルマ離れは自動車業界だけでなく、あらゆる企業にも影響を及ぼします。特に問題視されているのが「新入社員による交通事故の増加」です。
ある業界のデータでは、新入社員が配属後1年以内に起こす交通事故の発生率が50%を超えており、全営業社員の約2倍に上ります。その背景には、次のような実態があります。
- 「ほとんど運転しない」33%
- 「月1回運転する」31%
このように約6割の新入社員が運転経験の浅い状態であり、業務でいざ運転をする際に十分な技術や判断力を持っていないケースが多いのです。
若手ドライバーの事故原因
20~24歳の若手ドライバーの法令違反別事故原因をみると、安全不確認や脇見運転などの「安全運転義務違反」が約8割を占めています。運転経験の浅さが危険認識力や安全確認の知識不足に直結しているのです。
また、事故による物的・人的損害だけでなく、新入社員本人の精神的ダメージも深刻です。罪悪感や自信喪失により、退職や休職に追い込まれるケースもあり、企業としても未然防止策が不可欠です。
若手社員の事故を未然に防ぐには
新入社員の交通事故を防ぐためには、以下のような取り組みが効果的です。
1:安全運転すべき対象を教える
信号のない交差点で「人も車も来ないから進行」と安易に判断すると、大きな事故につながります。先にある危険を知ってもらうために、交通場面での経験談を交えながら教えましょう。常に「危険が潜んでいるかもしれない」と予測する運転を指導することが重要です。
2:声を出して安全確認を行う
声出し確認は安全確認の意識を高めます。「対向車よし」「歩行者よし」と声に出して確認することで、視覚だけでなく意識的に安全を確認できるようになります。
3:運転に集中できる環境を作る
1秒にも満たないわき見が事故につながります。カーナビやスマホは車を安全な場所に停めてから操作するよう指導しましょう。運転中は携帯をドライブモードに設定するなど、集中できる環境を整えることが大切です。
4:余裕をもって早めに出発する
不慣れな運転に加え、時間に追われると焦りが生まれ、事故のリスクが高まります。訪問先までの経路確認や余裕のあるスケジュール管理を行い、早めの出発を心がけましょう。
また、近年では教習所などで新入社員向けの運転講習も充実しています。社内・社外双方で啓発活動を行い、若手社員に自信と安全意識を持たせることが大切です。
終わりに
都市部での若者のクルマ離れは今後も続くと予想されます。そのため、運転経験の浅い新入社員に対して企業が教育や研修を行い、未然防止活動を強化することがますます重要になっていくでしょう。