年末繁忙期を迎える運送業界①
こんにちは、コジマです。
こちらのブログでも何度も取り上げておりますが、昨今ニュースなどでも見かけるようにこの業界は「ドライバー不足&高齢化」が深刻化している中、今後ドライバーという仕事を選択する人たちがさらに減少していく懸念があります。設備投資や個人消費の回復による輸送需要増加に期待され、宅配貨物に関しては引き続き増加が続く見通しですが、このような現状では運送業界における人件費の増加は不可避だと言えそうですね。
今年もきたる、年末の繁忙期
毎年12月の中旬〜後半は物流全体にとって最も大きな繁忙期。世間ではボーナスの嬉しい時期ではありますが、物流業界ではウェブショップでのクリスマスや年末セールが最も加熱し、福袋からお歳暮、アパレルのセール対象品の一斉入荷に一斉出荷、さらにおせちやお餅などの食品の流通など、貨物の取り扱い量は平常時の何倍にも膨れ上がります。宅配大手のヤマト運輸も毎年ホームページ上で「12月23日〜1月3日は荷物のお届けに遅延が発生する恐れがある」と伝えていますが、この時期は場所によっては降雪による交通規制が行われたり、年末年始にかけて帰省ラッシュも重なるなど、条件も過酷になってくる時期です。「人手不足」「高齢化」「配達賃金や燃料の上昇」…。この三つの大きな課題がこの時期多くの企業をさらに悩ませつつ、ドライバーはドライバーでなかなか配達が終わらずに長時間の過剰労働が続きます。利用者側は最近ネットやスマホを通じて荷物がどこにあるのかがわかるようになったため、指定時間内に荷物が受け取れず少しでも遅延を起こしてしまうと、すぐに宅配業者にクレームの連絡が入ります。荷物が安全・安心して受け取ることができるよう配慮された荷物の問い合わせシステムですが、このシステムによって配達状況が見える化できるようになったため、利用者に「なんで時間指定したのに遅れているのか」と、少しの遅延であっても苛立たせてしまう原因にもなっているようです。若手労働人口の減少もあり、これからはいかに現状の人的リソースでより効率的に業務を行っていくか、そのためにどういったテクノロジーを取り入れて効率化を促進させるのかを各事業者ごとに考え実践していく必要性が高まっていく時代です。
追い討ちをかける、ドライバーの過酷な環境
現在では荷待ち時間の記録が義務化となっています。トラックドライバーの長時間労働の要因の一つは荷待ち時間にもあると想定されており、その実態を把握するためです。通常、ドライバーは預かった荷物をトラックで安心・安全に配達することが本来の業務だと思われていますが、一部では荷物の積み下ろしをすべて手作業で行なっているというドライバーもいます。荷物の内容や輸送先は毎日変わるため事前に把握することができず、想定外な重労働としてドライバーへの負担増になるであろうことも簡単に想像できます。荷物の積み下ろしに把握されていなかった長時間を要してしまい、結果としてその後の配達スケジュール全体がおしてしまう。その遅れをなんとか取り戻そうと、食事や休憩時間などを削って運転し続け、それが疲労の蓄積や睡眠不足を常態化させてしまう。それがもとで居眠り運転をして事故を起こしてしまったり、長期休暇が必要になるような体調不良に発展してしまったりなど、悪循環へ陥りやすくなってしまいます。また、ドライバーが勤務中に交通事故を起こしてしまった場合、損害賠償や駐車違反での罰金はドライバー持ちになることが多いようです。損害賠償責任が生じるような交通事故はそう頻繁に起こるものではないものの、駐車違反はそれなりの頻度で起こるようで、特に都心部への配達の場合などでは配送先近辺に一時駐車できる場所がないようなこともあるため、ドライバーがやむを得ず路上に一時停車という形で配達するケースもあります。短時間ならある程度許容される場合もありますが、荷物をすぐに渡すことができず時間がかかってしまった場合は駐停車違反をきられてしまうことも少なくないようです。この場合は上述のとおりドライバーが罰金を支払うことになるわけですから、他業界で車を使うドライバーと比べても厳しい労働環境であることがわかります。これまで、現場で働くドライバーの生産性や成果を測るのは難しいことだと思われていましたが、スマートフォンやタブレットなどのスマート通信端末の普及によって以前よりずいぶん手軽に現場の実態を「見える化」することが可能になってきました。そしてその実績データをもとにドライバーの勤務状態を把握して適正な評価をしたり、改善の余地がある労働環境を認識して対応策を講じたりすることで、日々頑張って貢献している従業員たちにもこれまで当たっていなかったスポットライトが当たるようにもなり、結果として彼らの待遇が良くなったりモチベーションの向上につながったりもすることで、離職率の抑制や新規採用の追い風になるような効果も期待できるかもしれません。
さてさて少し長くなりましたので、続きは翌週に書いていきますね。
それでは次回のブログでお会いしましょう。
コジマ。
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