少し未来の物流の話
こんにちは、コジマです。朝晩は少し冷えますが随分と過ごしやすい気候が続いていますね。何だか数年ぶりに秋を感じています。もうしばらくこんな気候が続くと嬉しいなと思っています。
さて本日は先週に引き続き少し未来のお話をしたいと思います。ECの普及が進み、注文した商品の配送が迅速に行われることが当たり前のように要求されている現代。その一方で、物流業界は人材が不足し、消費者の要求を満足させることが年々難しくなってきています。そこで注目されているのが、物流の自動化や省力化を図る手段である「物流ロボット」です。
物流業界の人手不足と高まる物流需要
日本では年々高齢化が進み、生産年齢人口の減少にともなって、あらゆる産業で人手が集まりにくくなっています。日本の人口に占める15歳~64歳の割合である生産年齢人口は、1990年以降下がり続けています。反対に、65歳以上の人口の割合は上がり続けており、2060年には全人口の4割に達する状況です。各種の産業に従事できる人の数は減る一方であり、同時に、介護産業により多くの人数を割かなくてはならなくなるだろうということも念頭に入れておくべきでしょう。景気による人材需要の変動を考慮しても、「働ける人」の総数が減少傾向であることに変わりはないのです。
物流業界も深刻な人材不足に直面していますが、人手が集まりにくい理由は生産年齢人口の減少だけではありません。理由のひとつは物流センターの立地です。膨大な量の在庫を管理できる物流センターを建てるためには広いスペースが必要であり、物流センターは土地の安い郊外に建てられることも少なくありません。結果、都市部に住む求職者にとっては「通いにくい職場」ということになり、敬遠されることも多いのです。
さらに、物流センターは商品を出荷する拠点という性質上、郊外の中でも国道沿いなどの交通の便がよい場所に建てられます。そのため、近隣にショッピングモールなどができることも多く、他の職場の求人に負けてしまう、ということも起こるのです。また、物流センターでの仕事には、物の持ち運びやピッキングなどの肉体労働が多いことも、人手を集めにくい理由の1つです。
そのような状況にも関わらず、物流業界の人材需要は高まる一方です。ECの利用者にとって、注文した当日や翌日の配達はもはや当たり前のサービスです。そのうえ、昨今の新型コロナウィルス感染症の影響に伴い、これまでEC化を進めてこなかった企業や業界が続々と新規参入することとなり、特にEC出荷に対応している物流センターでは、従来の2倍・3倍の物量が動いているということも珍しくありません。結果、物流倉庫には、突発的な物量の増加・波動に対応できるよう、業務量をコントロールすることも要求されているのです。
慢性的な人手不足と物流業界への需要増が今後も継続する課題であることを考えると、物流システム全体の見直しが必要だといえるでしょう。人の力に頼らずとも正確でスピーディな物流業務を行うために、自動化・省力化を図ることが重要です。
物流ロボットとは?
物流ロボットとは、物流における「ピッキング」や「仕分け」といった単純業務をオートメーション化するためのロボットのことです。たとえば、物を運ぶなら搬送系ロボット、積み上げならパレタイズロボット、ピッキングなら棚搬送(GTP)型ロボットや自律協働型ロボットが活躍します。
物流ロボットの役割
物流ロボットは完全な自動化ではなく、一部人の手を介しながら、人との協働をコンセプトにしています。たとえば、同じく産業用ロボットとして普及するロボットアームと比較してみましょう。自動車生産ラインなどで活躍するロボットアームは、大量かつ精密な作業を自身のみで行います。コンセプトとしては「完全無人化」とも言えます。一方、EC需要の高まりから、配送先ごとに異なる商材を準備するなど「個配」が進んでいる状況では、細やかな作業・判断の全てをロボットが担うことは困難です。そこで、人が関わらなければいけない作業は人が行い、ロボットが代替できる「探す」「歩く」などの作業や工数削減効果の高い作業はロボットが行う、といった協働が必要となります。このように、物流ロボットとは「人を無くす=完全無人化」ではなく、人が働く場所で、人が担っていた作業を受け持ち、人と一緒に働くことで、省人化・省力化を図ることを役割としています。
とまあ、少し長くなってしまいましたね。この続きはまた来週にしますね。こういった少しの未来の話ってすごくワクワクしますよね。それでは来週のブログを楽しみにしていてくださいね。
それでは次回のブログでお会いしましょう。
コジマ。
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